判断ガイド / 委任状

委任状は自作でよいか、所定様式を使うべきか

自作できる手続きと、提出先の用紙が要る手続きを、書き始める前に見分ける確認順です。

先に決める3点

  1. 1提出先の配布様式を探す
  2. 2自作可否と押印要否を確認
  3. 3委任範囲を具体化する
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委任状は、本人に代わって別の人が手続きを行う権限を示す文書です。名前、住所、押印を揃えても、提出先が指定する事項を欠けば受理されないことがあります。最初に例文を書くのではなく、提出先の所定様式があるかを確認します。

法務局も、登記手続きごとに申請書や委任状を含む様式・記載例を公開しています。たとえば商業・法人登記の様式は法務局の商業・法人登記申請書様式で確認できます。手続き名が似ていても必要事項が同じとは限りません。

確認の順番は提出先から本人へ

委任する本人と代理人だけで文面を決めず、次の順で確認します。

  1. どの機関・会社の、何という手続きか
  2. 公式サイトや窓口に所定様式があるか
  3. 自作できる場合の必須記載事項は何か
  4. 本人確認書類、原本、印鑑、証明書が要るか
  5. 代理人が当日持参するものは何か

行政手続きでは、申請方法そのものが更新されることがあります。過去に使ったWordファイルや個人ブログの見本より、提出日時点の公式案内を優先してください。不動産登記と商業・法人登記の現行案内は法務局の登記手続案内からたどれます。

所定様式があるなら書き換えずに使う

配布されている様式には、窓口が確認する順序や注意書きが反映されています。見栄えを整えるために項目名を変えたり、欄を削ったりせず、まず原本のまま使います。記入欄が不足する場合の別紙可否も提出先へ確認します。

確認したいのは次の点です。

項目 確認内容
署名 自署指定か、記名でもよいか
押印 要否、印鑑の種類、訂正方法
日付 作成日か、委任日か、有効期限があるか
本人確認 本人・代理人それぞれに何が必要か
原本 コピー、画像、電子提出が認められるか

ウェブ上の様式に押印欄があるからといって、別の手続きでも押印が必須とは限りません。逆に「押印廃止」という一般的な話だけで、提出先の指定を省略もしません。

自作するときは権限の範囲を具体化する

自作が認められている場合は、少なくとも委任者、代理人、委任する手続き、作成日を特定します。「一切の件」のように広すぎる文言は、何を任されたのか確認できません。

委任事項は、対象と行為を組み合わせます。

  • 対象: 契約名、物件、申請、証明書、口座など
  • 行為: 申請、受領、提出、訂正、署名など
  • 範囲: 一件のみ、指定期間、指定枚数など

基本構成は委任状の書き方で整理できます。相続関係のように当事者・対象財産・手続きが複雑なものは相続手続きの委任状も参考になります。ただし、例文は受理を保証する様式ではありません。提出先の指示と専門家の確認が必要な場面では、そちらを優先します。

白紙委任と後からの追記を避ける

委任事項、代理人名、日付を空欄のまま署名・押印し、後から他人に埋めてもらう運用は避けます。本人が意図しない範囲まで使われる余地を作るためです。訂正が必要なら、提出先の訂正方法に従って本人が確認します。

作成後は、本人用の控えを残します。代理人へ渡した日、提出先、対象手続きを記録し、不要になった原本の扱いも決めます。個人番号、口座情報、本人確認書類の写しなどが含まれる場合は、メール添付や共有先を必要最小限にします。

代理人側の当日確認

代理人は委任状だけを持てばよいとは限りません。本人確認書類、代理人自身の印鑑、手数料、予約番号、申請書原本などが別に必要な場合があります。窓口の受付時間と予約要否も確認します。

郵送やオンライン提出では、原本の返却、補正連絡の宛先、受領方法が対面と異なります。委任状の文面を完成させることをゴールにせず、手続きが完了するまでの持ち物と連絡先を一つのチェックリストにします。

作成前の最終チェック

  • 提出先の公式サイトで現行様式を探したか
  • 手続き名と提出先部署を正確に特定したか
  • 自作が認められていることを確認したか
  • 委任事項が広すぎず、対象と行為を特定しているか
  • 本人・代理人の氏名と住所は本人確認書類と一致するか
  • 署名、押印、日付、原本の要件を満たすか
  • 空欄を残したまま署名・押印していないか
  • 控えと提出記録を残すか

委任状で大切なのは、立派な文面ではなく、提出先が権限の範囲と本人の意思を確認できることです。例文を選ぶ前に、所定様式と必須事項を確定してください。

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